日本人が外国へ挑戦する前に、知っておくべきこと。

最近、海外進出する美容室がたくさん増えてきましたね。

 

 

僕ら日本人は、今となっては簡単に海外で美容室や飲食店などを開設できていますが、この環境がどれだけ恵まれているということに、皆さんご存知でしょうか?

 

僕らASSORTもニューヨーク、香港とオープンしましたが、えぇぇ、、、正直「簡単」とは言えません。でもですね、僕たちの先輩方が作り上げてきてくれた環境があるからこそ、今となっては比較的スムーズに海外で開業ができるのです。

 

戦後の日本人が、外国でお店を出すということは僕らの想像をはるかに超える苦労をされたと思います。特に戦争を負けた我々日本人は、立場的にも非常に不利であり、外国から見られる目は、恐らく今の時代を生きている私たちには、一生わからない環境であるのは間違いないでしょう。

 

現在アメリカの「ヘルシー食」ブームにより、日本食も一般化し、外国人もお寿司や和食を食べるのが当たり前になりました。実際、毎月ニューヨークや香港の街を歩いていて思うのですが、本当にどこにでもお寿司屋さんや和食屋さんはあります。

 

ラーメン屋もそうですよね。世界各国今はラーメンブーム。先日空港の中を歩いていた際、フードコートではラーメン店だけが目を疑うほどの行列でした。NYの一風堂さんでも、2時間以上待ちは、未だに当たり前のこと。JAPANESE RAMENは今や日本の代表的な料理となっています。

 

普通に考えると、この状況は一種の「ブーム」であり、日本食レストランの増加は、自然な流れに見えるかもしれません。

 

ですが、つい十数年前まで、日本人が営むお寿司屋さんは外看板も出さずに(正確に言うと、出せずに)、隠れながらお店をやっていたことをどれだけの人が知っていることか

 

人種差別などももちろんありますが、当時「生で魚を食べる」ことはアメリカ人に受け入れてもらえず、「えええ?気持ち悪い」という発想しかなかった。私が子供のころでさえ(テキサスというのもありますが)、

 

RAW FISH?? (生で魚?!)

EEEW! (ええ?信じられない、まずそう!)

とよく言われました。

 

しかし、当時の(日本人)寿司職人は日本の伝統の文化を伝え続け、日の丸を背負いながら現地で戦い続けましたその結果がまさに今の日本料理の飲食ブームだと自負しています。

*「天皇の料理番」にも、その時代背景がわかりやすく表現されています。日本の料理人がフランスで認められるまでに経験した、人種差別をはじめとする屈辱。

 

これは飲食産業だけではなく、さまざまな業種でも同じことを言えるのではないでしょうか。

 

野球で例えれば(元)ロサンゼルス・ドジャーズの野茂選手。

小柄で、舐められやすい日本人が世界のメジャーリーグで結果を残せるとは、誰もが思っていなかったであろう。ですが、そんなイメージをひっくり返し、野茂選手は見事にその技術や名、そして日本という新たな価値を生み出し、野球界に歴史を残しました。

 

その後、イチロー選手はじめ、今では日本のプロ野球で育った現NY・ヤンキーズの田中選手や、現TX・レンジャーズのダルビッシュ選手は高い報酬と契約金にて契約することが可能となりました。

 

われわれ美容業界も同じように思えるのではないでしょうか?

 

 

先日、日本テレビさんの「スッキリ!!」でもASSORT TOKYOが紹介されましたが、日本に訪れる外国人観光客の多くは今、日本で髪を切るとひとが増えています。

 

 

我々がすごいと思われがちなのですが、本当にすごいのは、その価値を生み出してくれた先輩方々です。僕らは本当にタイミングが良かっただけにしか過ぎません。

 

どれだけ日本で名を上げていても、世界で戦い続け、結果を残した先任の方々(美容師さん)があっての今です。

 

作って頂いた環境を引き継ぎ、そして次世代にも繋げないといけない責任は、決して忘れてはいけないと私は思っています。

 

 

今、外国出店ブームである美容業界。

 

あなた達は、この原点をちゃんとわかっているのか?

 

日本のマーケット縮小により、ビジネス目的だけで海外を意識しているのではないか?

 

もしそうだったとしたら、もっと日本人としての誇りとプライドを持つべきではないでしょうか。

 

日本での結果は当たり前です。そしてその後、世界の舞台で戦いたいのであれば、もっと大きなものを背負っていることに気づきましょう。

 

今の私たちの結果により、次世代へのチャンスが生まれるのです。

 

ただ海外へいきたい?

気安く、そのような言葉を並べるまえに、まず何故いまの環境があるのかをしっかり理解し、挑戦しましょう。

 

であればきっと、今後も日本の各業界も成長し続け、世の中にもっともっと幸せを与えれるであろう。

 

ではHave a nice day 🙂

小林 Ken

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