弊社は第一号店を開業してから今年で8年目となりました。
現在、直営店は東京に3店舗、ニューヨーク2店舗、香港1店舗、アムステルダムに1店舗があり、パートナー店舗は2店舗となりました。現在の従業員数は約70名。
私は毎年、時代や「その先」にアンテナを張り、会社の方針を大きく変えています。
何故なら毎年同じことを繰り返しては成長もなく、常にみたことのない世界をスタッフ全員で見たいからである。そして、何よりも大切にしてきたのは、全てはスタッフやお客様のため。
8年間を振り返れば、数々の方針を貫いてきました。
その中で(先ほどもついつい言葉にしてしまいましたが)いつも考えるのは、、、
「スタッフの幸せ」
上司であろうが部下であろうが、社会で生きていくうえで誰もが常に意識していることだと思います。
正直、言葉で表すととても簡単に片付けられてしまいます。
何故ならひとりひとりの「幸せ」の価値というのは、違うからです。
「スタッフのために◯◯」
「スタッフのために◯◯」
「スタッフのために◯◯」
よくよく考えれば、◯◯に何を当てても正解なのです。
それぞれが育った環境や、成長した環境、出会いからの影響、ネット情報の影響、、、
数えきれないほどの要素はありますが、ひとはみんな自らの経験によってそれぞれの「価値」が生まれるのは確かです。
同じ人間がこの世に存在しないのと同じように、同じ「価値」の人間もこの世に存在しません。でなければ、政治も必要なければ戦争も起きません。
夫として9年、父親として1年、経営者になり8年間(個人事業主からですと13年間)経った今、会社の代表取締役(そしてひとりの人間)としてスタッフに対する「幸せ・価値」は一体なんなのか?
企業理念か?
モチベーションか?
システムか?
評価か?
お金か?
福利厚生か?
ワークライフバランスか?
目先の利益か?
将来の利益か?
健康か?
はい、もちろん全部だと思います。
弊社も試行錯誤しながら色々と方針や仕組みを考え、上記をすべて叶えられるように全力で実行してきました。
しかし、その中で一番大きい決断といってもいいほど(2〜3年迷いましたが)、覚悟を決めたことがあり、それは従業員の「全員社員化」である。
個人から組織へ。
社会保険による資金繰りの圧迫はよく言われていますが、会社として社員を何十人も抱えるコストの中で社会保険は本当に一部にしか過ぎません(もちろんかなり大きいですが)。行政続きから税金まで、本当にコストがありえないほどかかります。初期(設備)投資が高く、店舗を抱えるという固定コストが高いうえ(特に物価が高いレッドオーシャン地区)、生産性の低い労働集約型のビジネスモデルは、言うまでもなくこの時代では自爆行為に近い。
勘違いされる前に、一度お伝えします。
正社員が正しいとか、個人事業が間違っているとか、その手の話ではありません。
ただ、私の今までの経験による「価値」は、スタッフひとりひとりに日本である我が国に支援を受けられる選択肢与えたかったのです。
今の時代、どれだけ若くても病気になる可能性もありますし、どれだけ気をつけていても事故に巻き込まれる場合もあります。
いざ不幸な出来事が起きてから、(大切に思っている)スタッフをサポートできないことは、本当に幸せを与えているのか?
最高に幸せな出来事でもある子供が産まれるというのに、その支援ができないのは本当に幸せを与えているのか?
人生をかける覚悟を決め、家を買うと決めたのに、ローンを組めないことが、本当に幸せを与えているのか?
と、私は思ったのです。
私は美容業界に携わって早16年になります。
まだまだ未熟な経験値ですが、ひとつだけ確実に把握したことがあります。それは、美容師さんの社会的知恵の環境不足である。
売上のみで人事の評価をしてしまいがちな、この業界のシステム。
もちろん美容師さんはアーティストだと思っています。ですが、アーティストの前にひとりの立派な社会人です。
芸術家はヘアスタイルや接客だけで評価されるのは、違うのでは?と最近つくづく感じています。
美容という固定概念を捨ててしまえば、マネージメントも教育も芸術の一貫です。
ペンやブラシを使うのか、頭を使うのか、人を動かすのか。
白いキャンバスに何を描くことがアートであり、どの道具を使わないといけない決まりなどないのです。
話は変わりますが、美容室に限らずリテール店舗運営のなかで代表的な課題は「評価システム」です。
「私はこれだけやっている」
「でも、私もこれだけやってる」
「あの人は何もしていない」
人間ですので、当然上記のような問題はどんな業種でも現れます。
しかし、売上さえあげれば許されてしまうという、この業界の悪循環こそが自ら組織を苦しめるのです。
正直、私はバリバリプレイヤー気質で育ってきましたし、当時の後輩にもそのような教育をしてきてしまいました。ですが、時代も立場も変わり、以前のように思わなくなりました。
過去に拘るのではなく、これからの未来に拘りたい気持ちは変わらないのですが、当時のメンバーには、「ビジネスに走った」と思われたとしたら仕方がないと思います。ですが、本質は私的には(エゴやわがままかになるかも知れませんが)、もっともっと良い環境にしてあげたいという思いに尽きるのです。
まだまだ時間はかかると思いますが、この課題をクリアできるようシステムを構築していかないといけません。もちろん、大手サロンには既に取り組んでいる会社も存在していると思います。
それがスタンダードになる業界にさえなれば、みんながより豊かな暮らしができるのではないでしょうか。
根本的なことですが、評価するのもされるのも、売上を上げるのも、、、
お客様のため、会社(社会)のため、そして自分のためですからね。
どんな世の中でも、ひとりでは何もできません。
常に感謝の気持ちを持ち、ハンブルでいることですね。
では、 have a nice day 🙂
小林 Ken
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