美容室を新規開業する意味ってなんなの?

最近次々と20坪〜40坪の美容室が新規オープンしてますよね。(僕らもそうだけど)

しかもどのようにその情報が入ってくるかと言えば(僕の場合)ホットペッパービューティーのエリア検索をかけたときに今迄みたことのないサロンが目に入り、どこも「NEW OPEN!」をキャッチフレーズにタイトルなどに掲載されている。もちろん知らないところがほとんどだけど、なんかどこどこから独立してどーのこーのでどこどこと繋がっているとか。。。(特に興味はないけど。。。◯◯出身とかどーでもよいので)

Hotpepper Beautyはじめ、その他ネット媒体の御陰で新規集客はあるコツを掴めば(教科書通りにちゃんと従えば)ある程度の数字は確実に保証される。再度お伝えしますが、もちろん僕らもそのサロンのひとつです。(←とはいえ、僕はもともとネット媒体に集客を確信していて、どこのサロンもhotpepperとかに掲載するのは「ダサい」やらなんやらで、プライドなのかなんなのかわかりませんが。。。どこもやっていないときからやっていました。生意気ですが、時代に乗ったわけじゃなくて作ったサロンのひとつだとも思っています)

根本的な「技術=商品」ではなく、アメリカのビジネススタイルに近い「ヘアメイク=マーケティング」へとシフトした時代のはじまりであった。今までにない新しい魅せ方で、新しいマーケットに商品をプレゼンすることで、信じられない数字が実現できた。(掲載しているヘアスタイルがリアルにカットしているかしてないかとか、ヘアメイクじゃないかとかはまた今度お話しますが、今回は別話です)

そのため気付いたら世の中は「◯◯は何百人も新規客が来ている!」とかの噂が一気に広がり、次々と掲載店舗が増え、掲載料金もどんどん上がった。今では当たり前かのようにトッププランで毎月40万以上(+ネット予約の際売上の2%の成果報酬)の掲載料がかかる時代になった。そんな時代を作ったホットペッパーなども本当にすごいと思うし、否定はしません。むしろとても素敵だと思う。雑誌に出たくても出れない素晴らしいサロンさんは全国に沢山あり、そのサロン達を世の中に露出させてくれた唯一のツールだった。

でも良くも悪くも今何が起きているかと言うと、

▶お客さんがいなくても独立できる時代。
↑↑まー、別にいいんじゃないんですか?銀行にお金を借りに行く経験もなく、どこかのバック(投資家)にお金出してもらって開業しているのとあまり変わらない気がするし。。。

▶ローリスクで開業できる。(ネット媒体に頼れる、期待できる)
↑↑ コレも時代に乗ってる感じでいいなじゃないですかね?借金さえ返しちゃえば全然OKでしょ。

▶お店に勤めているより稼げる時代。
↑↑ コレも嬉しいことでしょ?社会勉強にもなるし会社の仕組みもわかるようになるし、今迄勤めていた会社の上司の立場もわかるようになるし。。。。 

▶自分が現場に立たなくても稼げる時代。
↑↑体力的にも限界感じている人や、意外とマネージメントや経営に向いている人も沢山いるだろうからいいんじゃないですかね?

はい。。。positiveに考えれば特に否定することは何もないです。むしろ否定したら負けですよw もっと柔軟にならないと^^

ただ、僕が疑問に感じているのは。。。
開業しやすくなっととはいえ、これだけのサロンがどんどん増え。。。

みんな何をしたいのか?と思ってしまうときがある。

何故起業したのか。

なぜあえて今迄の会社から離れて独立したのか。

いち美容師として美容を愛していれば(NYのように)独立はしなくてもよいはずではないか。プレイヤーとして髪を愛し、お客様を愛し、家庭を愛し。。。稼ぎたい人はどんどん上を目指し挑戦して(客単価上げたりね)、on the other handそうでない人達はパートタイムなどに納めてさ(生きる事にウェイト置いたりね)。

美容室のビジネスを元々やりたく、現場の経験が必要だから美容学校に通ったりして勤めたりしているのならわかるのだが。。。

やっぱり想像していた「美容師将来理想像」と実際歩み至る「現実」とはどの職業でも変化するのは理解できる。生き方に疑問を抱いたり、環境だったり、人ぞれぞれ「あれ?なんか違うんかな?」と思う事はあると思うし不自然とは思わない。

でもリアリティーチェック→これだけ最近新しい美容室が世に誕生しているということは(特に青山や原宿界隈)、今迄いたお店になんらかの疑問を抱いている美容師がそれだけいるということなのか。ホットペッパーのような集客ソースがなかった時代は独立できず、ずっと我慢してきたというのか。それとも今の「独立」というのはただの一種の流行なのか。

どちらにせよ、お店を出すと決めたのであればなんのために出すのかが本当に大事だと思うこの頃。なんとなく独立をする→ネット媒体で新規が増え、スタッフが増え、お店の箱がいっぱいになったからもう一店舗出す。そしてまたネット媒体で新規が増え、スタッフが増え、、、、の繰り返しなのでは。それではなんのためにお店をやっているのかが理解できない。もっと具体的に、もっと広い視野で、もっと人のために、もっと将来のために。。。

僕は基本的には新しい事をしたがる性格で、誰もみたこともやったこともないような事を発信して共感してもらうのが多分すごい好きで、お店を出したのも「みんなと違う事をお店単位でやりたい」という思いからはじまった気がします。

僕は美容師が一定の経験を満たしたらフリーダムでいいと思っている。何故みな同じレールに乗る必要があるのか。

感性を磨けといつも上司は部下に言うけど、一日十何時間もお店に缶詰状態にされ、一年通してもほとんど休みのない生活が当たり前と洗脳され、どこで感性を磨けと言うのだ。先輩みてもトップみてもその働きかたがスタンダートとなってしまっているのが問題なのではないのか。もっと「アート」や「人」と出会い、心にスッと入ってくるフィリーングを大切にするべきなのではないのか。それが感性であり、愛であり、心に伝わる「デザイン」と生まれ変わるのではないか。練習も大切だけど練習では得れないことも世の中には沢山あると思う。

そんな「環境」が当たり前になるべく僕は独立をした。金儲けをしたいがためにお店をはじめたんじゃないんですよ。(もちろん金儲けもきっかけのひとつでしたがw)「経営者」という肩書きに憧れ、かっこつけ、楽して稼ごうとか、本当にそういう甘ったれた考え方が大嫌い。(僕が嫌いだけで別に本人の自由だが)※もちろん経営者である以上は利益を出すことが仕事だが。。。

技術者がカットを極め、「このカット技法で日本中、そして世界中の人々に体験してもらい幸せになってほしい!」とかすごいいいと思う。それが個人単位なのかお店単位なのかどちらでもいい。「もっとお客さんを担当したいけど今のお店だともう席の限界があるから独立して席を増やし、自分の技術をもっともっと沢山の人に知ってもらいたい、そして幸せにしたい。さらに教育してもっともっと広めたい。」。。。最高じゃないすか。

でも果たしてそのように思って独立している技術者は今の時代どれだけいるのか?

理念とは何か?

なぜ◯◯サロンは誕生したのか?

強い意志と理念なくも独立できる今の現状、僕にも矛盾はありますが、そんな疑問を感じる今日この頃。

ま、みんな好きにやればいいんだけどね、今よその心配してる暇ないやw

僕ももっともっと色々考えないとですね。

ではhave a nice day:)

小林 Ken

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