ガイジンって、誰のこと?

The musician who doesn’t travel is unfortunate.

”旅をしない音楽家は不幸だ”

昔なにかの本でこんなモーツァルトの名言を読んだことがあります。

今回私はパリ、ベルリンを一人旅しています。

アメリカに来てもうすぐ6年目、美容師を始めて約10年、スタイリストになって2年弱。

Creative DirectorをつとめるVACANCY PROJECTが一周年を迎え、今回は新しい刺激・何か新しい発見を得るためと思いこの旅行を決めました。

行き先はなんとなくパリ、ベルリン・・・気が変わればどこか他のところへ。そんな曖昧なプランでニューヨーク・John.F.Kennedy空港を出発。

 

実際に行ったことのない街で10日間。この旅が想像以上に色んなことを学ぶ旅となりました。

ご存知の通り、2012年にニューヨークに来た時の私はまったく英語がしゃべれませんでした。

しかし就職が決まり、アシスタントをしながらお客様と関わることや少しずつ友達を作ることで徐々に英語を学んでいきました。

言語を学ぶことは文化を学ぶこと、とCEOの小林の名言(!)がありますが、まさにその通り。

英語が話せないとここでは何もできません。でも英語を話せば、ニューヨークという街は非常に過ごしやすい場所です。

移民に優しく、女性を尊敬し、若者のクリエイティビティに寛大で、LGBTQの理解も進んでいます。

5年以上ここに住んでいるうちに、うっすらとそのありがたみを忘れつつ慣れていきました。

なんとなく自信がついてきて、ニューヨークでの自分の地位や在り方を分かってきて、何よりこの街の文化に馴染んできたことで居心地が良くなり、ここでヘアスタイリストとして成功したいという夢を持って、いいモチベーションを持って毎日を過ごしているつもりでした。

しかし、この旅では

日本人として外国で仕事をするありがたみと初心

を思い出させてくれました。

 

パリに到着し、久しぶりに違う言語を話す国に若干戸惑いはありましたが、ほとんどの人が流暢に英語を話すので、”ま、わたし英語話せるし大丈夫でしょ。”とフランス語を一切勉強せずに数日過ごしました。

観光客が多いこともあって、不便なことは一切ありませんでした。

しかし、2日目に携帯を家に置いてきてしまい、オートロックのドアの番号が分からず近所のお店を訪ねてインターネットを貸してもらえないか頼みに行った時のこと。

丁寧にはたずねたものの、初っ端から英語で物をお願いすると、やはりいい顔はしてくれませんでした。

なんだよ、失礼だな。やっぱりフランス人って冷たいな。

ニューヨークだったらみんなもっとフレンドリーなのに。

だいたい英語が世界共通言語じゃないのか?など、今思うと非常に自分勝手でアメリカかぶれな苛立ちを感じながら、

一方で 「どうして少しでもフランス語を勉強してこなかったんだろう」という恥ずかしさもありました。

 

そういえば東京からニューヨークに来たばかりのとき、

日本だったら、みんな上司の言うことは黙って従うのに。」

「お客様は神様じゃないのか?」

アメリカ人って初対面で馴れ馴れしいな。」

と不満ばかり思っていたことを思い出しました。

 

私は変にアメリカにかぶれ、フランスのことを変な目で見てしまっていたことに気付いたのです。

「何年ニューヨークに住んでも、”外国人”というのは自分のこと。他人のことをガイジンと呼ばないこと」

それはヨーロッパに来ても「アメリカだったらこうなのに。ニューヨークだったら・・・」と感じてはいけないのです。

過去(特に過去の栄光)に捕らわれる人ほど成長できる幅は非常に少ないのです。

 

さて、ベルリンに到着し、ここではもちろんみんなドイツ語。

パリと同じくほとんどの人が英語も話せるけど、パリほど流暢ではない。

ベルリンとは、若者が金曜の夜中2時頃から遊びに出かけ、月曜の朝7時までパーティをするというものすごい街。物価も安く、パリやニューヨークの半額ぐらいで美味しいご飯やお酒が飲めます。家賃も安い。

現地で出会ったドイツ人の女の子がこう言いました。

「ここでは気軽に職業を聞いちゃダメ。人を学歴や職種で判断しちゃいけないの。それは性的指向差別をしないことと同じくらい大切なことだから」

ニューヨークにいると(またアメリカかぶれてすみません)Where are you from ? What do you do ? (どこ出身なの?仕事は何してるの?)と初対面でガンガン聞きます。

人をジャッジしているわけではないけど、その人を知るために当たり前のことだと思っていました。

日本にいる時は、職業や年齢を聞くことって失礼なような気がしていて、アメリカに来た時「あぁ、なんだかフラットでいいな。」と感じたのを覚えています。

日本のことを”閉鎖的”または”島国”と言いますが、ドイツは少しだけ似たような雰囲気を感じました。

ニューヨークには様々な国から夢を叶えるために移住してくる移民がたくさんいます。

特によく会うのが、オーストラリア人・カナダ人・中国人・韓国人・日本人・メキシコ人などなど。

そういえばあまりドイツ出身(特にベルリン)の方にあったことがないかもしれません。

 

とにもかくにも、ベルリンの方々はベルリンが大好き!

自分の街に誇りを持っていて、他の街や国に憧れや嫉妬を持つというよりは、愛国心の強い場所だなと感じました。

一方でお金や地位に執着を持つ人が少なく、どちらかというと、いいアートや音楽を作って自分を表現したいというエネジーに溢れています。

本当にアーティストだらけの街。正直言ってその点でニューヨークは純粋に表現者でありたいというアーティストは少ないかもしれません。それでも頭がいい人や、うまくやっていけちゃう人は成功していますが。運も才能って言いますからね・・・なんとも言えません。

 

個人的にはパリの方が好きでした。

やはりコンペディティブ(競合的なとか競争によるとか、競い合うという意味)な場所が私みたいな目立ちたがり屋には向いているんだと思いました。笑

 

世界には色んな国があって、自分の生まれた国で頑張る人と、何か理由があって母国を離れ、他の国に行く人がいます。

私はニューヨークを選んだから、ニューヨークが心から大好きだし、自分の生まれた日本ももちろん好きで日本人でいることを誇りに思っています。

今回ヨーロッパのたった二カ国ですが旅をしてみて、彼らの文化にほんのちょっと触れることで「あぁ、ここに住む人たちはそれぞれ理由があってここを選んだんだな。」と興味を持つことで少し自分の視野が広がった気がします。

日本にいない限り私はどこに言っても”外国人”であって、外国人と共に仕事をし、分かち合い、いいものを作ろうという現地の方々への感謝の気持ちを常に忘れないようにしようと思いました。

これからもっと色んな国に足を運んで、旅をしない美容師は不幸だ!なんて言えるようにいつかなりたいと思います!

長い期間お休みを頂き、ありがとうございました。

今は1秒でも早くサロンに立って髪を切りたい気持ちでいっぱいです!

 

それでは、See you later 🙂

 

 

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