もう8月に入りましたね。
4月から入社した新入生は、社会人としてはじめての夏を迎えている頃でしょう。
「ああ、こんな夏っぽくない夏を迎えたのは、はじめてだ」
と思っている新入生が9割ってところでしょうか?
そんな皆さん、
「もう今の会社辞めようかな」とチラッと心に芽生えているひともいれば、既に決意をし、退職された方も大勢いると思います。
これは、どんな企業でも悩んでいる課題。
人材確保とともに、離職率を防ぐ取り込み。
急速な時代の変化の中で、どのように新入生を継続させれるか、どのようにモチベーションをあげ続けるか、どんなキャリアプランを提供すれば良いのか。そもそも何を求めているのか。
組織の人数のせいにしがちですが、実は(多少はもちろんあると思いますが)人数の問題だけではないと思うのです。
では、なぜ新入生が辞めてしまうのか?
それは企業側が自分達だけで考え、自分達だけで答えを出そうしているからだと強く思います。
本来は、もっと学校や本人とタックを組み、ひとりひとりの性格や人間性を共有するところからスタートしないといけないのでは?と実感しております。
例えばですが、美容師さん(美容学校)をひとつの例とします。
私が美容学生だった頃と比べ、(ちなみに私が美容学校を卒業してから10年以上経ちます)学校のカリキュラムは大幅に変わっています。
以前までは実技ではカット、ワインディング、オールパーパス、ローラー、多少のネイルやメイクに加え、学科では衛生論や法律論など。
ですが、今では上記に加え、ヘアアレンジ、撮影、フルメイク、カラーリング、シャンプー、英語などと、次から次へとプラスアルファの技術を生徒さんに提供しています。
そう、学校は時代に合わせて進化し続けているのです。学校もビジネスです。より生徒さんを多くいれるにも、学校に魅力がないといけないのは当然です。
今では生徒さんが在学中、どんどん新しい課題が用意され、hand’s on 作業が多い為、感性も信じられないほど磨かれます。
要は、学校のコンテストや行事を通し、自分探しの旅が既に始まっているのです。そしてそれが既に(良い意味で)自信となり、個々の「個性」が早い段階で客観視できるようになっているのです。
そもそも美容師になりたい理由の多くは、
「みんなと違うことをしたい」
「手に職をつけたい」
「サラリーマンになりたくない」
などど、やはりアーティスト精神が強い持ち主達です。
そんな彼ら彼女らが、いざ就職し、夢と希望を持って入社すると、
学校の延長線と思い込んでいた職場が、現実と全く異なったりする。
基礎技術を学ばないといけないのをわかっていつつも、
いずれ技術がうまくいかないときがくる、
苦手な先輩がでてくる、
お金でも苦しむようになる、
体力がしんどくなる、
とにかく大変、大変、大変。
最近の美容学校は2,3年で卒業します。即ち2,3年という期限が最初から決められており、どんな嫌なことがあっても数年で終わりがきます。わかりやすく例えれば、中高生のスポーツ部活などと同じ。下っ端からはじまり、いずれ上は卒業し、自分の時代がやってくる。たとえ結果がでなかったとしても、次の環境(学生生活)が用意されている。
だからこそ、どんな嫌なことでも耐えられる。
逆に良い結果を出し続け、継続力が身につくとはいえ、2,3年の話。
ところが社会人は2,3年どころか、何十年も続く。
これが社会人と学生の圧倒的な違いです。
このギャップこそが、新入生を一番苦しませ、出口のない迷路にハマらせてしまいます。
自分らしさを表現したくこの世界に入り、学校で多少なり自信も身につき、
数多いヘアサロンの中からこのお店を選んだのに、、、
どこに個性があるのだ。
どこに自分らしさがあるというのだ。
こんな生活のために美容師になったわけじゃない、、、
「環境が合わないのか。」
考えば考えるほど、
美容師が思っていた世界と違うと思ってしまい、美容自体に興味をなくしてしまう。
そんな中、
10数年前にはなかった「スマホ」を片手にとり、莫大の情報量の中から新たなお店、または新たな職業を探す。
もしくは、同じ「スマホ」を片手にとり、LINEで友達に相談し、新たな環境を紹介してもらい、サクッと手に入れ、行動に移す。
ざっくりですが、一連の流れですと、このようなケースが多く見られます。
では今後何をすれば良いか?
明確な答えはないのは事実ですが、各企業で様々な仕組みを取り入れてるのは間違いありません。
中でも一番力を入れている要素が「コミュニケーション」です。
確かにコミュニケーションを強化することは大きな一歩です。
でももっと大切なのは、その新入生の「個性」じゃないのでしょうか?
どんな環境で育ち、どんな価値観を持っているのか、どんな将来設計を描いているのか。
ここにフォーカスする必要生があり、そのためにはまず、その培ってきた「個性」や「自信」を少しでも表現できる環境・キッカケを作ってあげることだと思っています。
「我慢すれば、その先に明るい未来がある」の表現は新入生には、通じません。誰だって我慢はしたくないのです。わがままといえばそれまでですが、これだけ好きな情報を簡単に手に入る時代の中、我慢しなくても、本人達は羽ばたける環境があるのです。
改めて、なぜ新入生が辞めてしまうのか?
それは企業側が自分達だけで考え、自分達だけで答えを出そうしているからだと強く思います。
採用が決まったら、もっと学校との連携をとり、どのような生徒さんかをもっと事前に理解し、さらにその新入生全員が自分の「個性」を表現できる場を作ってあげることです。そして最大のポイントは、「自信」を良い意味で持たせてあげることです。
そして新卒生は、学生の2,3年間と、社会人としての数十年間は別物であることを早い時点で認識することです。
人生は一度しかありません。
選択ひとつに寄って、その何十年後も大きく変わる可能もあります。そして、どの選択肢を選んでも全ては結果論になります。即ち、正解はありません。
目先の利益を求めるのか。
10年後、30年後、50年後の利益を求めるのか。
自分にとって何が一番良く、しっくりくるのか。
複雑な思考のなかで、大切なのは(特にこの情報社会の中で)、自分なりの幸せを各環境で見つけ、それを信じ続けることだと思います。
どんな環境に対しても、どんな人に対しても、悪いところではなく、良いところを見ましょう。そこにきっと答え(幸せ)があるはずです。
ちなみに私は、転職が悪いことだと思っていません。
ですが、どうせ転職をするのであれば、ステップアップとしての転職が理想だと誰もが頷くと思います。
新入生も、企業側も、
お互いキチンと責任を持ち、協力しあえば、どんな会社、お店、時代でも
うまくいくと思います。
僕も今年、まだ夏らしい夏を迎えてないですね。
でもまだ間に合う、
時間を作って海へいこうかな。
ひとりでも多く、夏らしい夏を迎えられるように^^
では、have a nice day 😃
小林 Ken
twitter: @assort_keninstagram: assort.ken
facebook: the.ken.kobayashi
youtube: ASSORT FILMS