ふざけるな、お前らと一緒にするな。

本気でやってきた人はみんな心の中でそう思っているんだと思う。てか、そう思えないと逆にダメなんじゃないかな。

 

美容師が今後減っているとか増えてるとか、業界がどうのこうのはどーでもいい話で、そんなことより本気で美容師を目指している奴らはどこへいってしまったのだろうか?美容師ってそんな簡単になれるもんだっけ?

 

高校生のときから思っていた、「(一流の)美容師は限られたひとにしかなれない」
(実際に高校3年生の時に書いた文集:http://poolmagazine.net/1047

 

だからこそ「本気」で覚悟してたし、進学をしないという選択肢を選んだ。そりゃ大学いけば就職もしやすいし、一般社会に入りやすいし、社会的信頼の評価も得れる。でもそれを捨ててまでも、どうしても美容師になって、手に職をつけたかった。

 

自分でそう決めた以上は、その先にどんなことが待ち受けていても、絶対乗り越えるって決めてたし、絶対に自分に甘えないって決めてたし、絶対誰にも自分の未来を決めさせない、自分の力で、自分の努力で、絶対憧れの美容師という職業を手に入れてやると決めてた。というか、これぐれい暑苦しい気持ちなんて当たり前だろと今でも思っている。

 

友達はみんな大学へ進み、毎日授業サボりながら遊んでる中、僕は当時19歳で、単身で日本に渡った。そして、はじめての日本生活がはじまった。異国で、さらに友達もいない環境で、カルチャーショックと語学に苦しんだ。

日本で授業受けたことのない自分が、いきなり現地の奴らと同じ授業をを受け、電子辞書を片手に勉強して、置いてかれないように必死だった。

 

だってハンデなんて悔しいし、特別扱いなんて絶対されたくない

 

わからないことがあったら聞く、そして覚えるまでなんども頭に叩きつける。

最初の頃は「ええ?お前◯◯って知らないの〜?」と(半分冗談だろうが)、言われることが多く、めちゃめちゃ悔しかった。昨日のように覚えてる。ぶっちゃけめちゃムカついたし、「バカにすんじゃねー!じゃお前ら英語できるんか!」と言いたいところだが、ここは日本。そんなこといってどうする。知るかって感じだしね。

それより自分の語学力が低すぎるのが問題だ。だったらもっと日本語が上手くなればいい。バカにされても、いやいやながら笑って誤魔化し、すぐトイレにいって全部ノートに書き収め、ひとつひとつ覚えてやった。

 

そんな学校生活とともに美容室でのアルバイトやその他バイトも同時にはじめた。平日は学校、その後美容室で練習したり、その後別のバイト、ときにはまたさらに別のバイト。朝方帰ってきて数時間寝て、また学校。この繰り返し。

少しでも時間が空いてしまうと、ホームシックになったり、アメリカを思い出してしまうのが怖くて、あえて空いてる時間なんて作らなかった。美容師になると決めた以上、暇な時間があって何する?だったら常に美容に携われる時間か、お金を稼ぐ時間にすればいい。その合間合間に思いっきり遊べばいい。そしてまた頑張ればいい。ただそれだけだった。

 

学校の友達が土日に遊んだりしてる中、僕は美容室で働いた。遅刻も絶対しなかったし、美容室のバイト先でも誰よりも先にお店にいって、鍵持っているひとが開けてくれるのを待ってた。早く練習したい。早く手先を動かしたい。早くうまくなりたい。

 

絶対近い将来、この努力が差を生む。そう確信していた。

 

やりたかったサーフィンもスノボーも、どの誘いも断った。怪我したらカリキュラムが遅れるし、絶対1日も無駄にしたくなかった。そんな生活を2年過ごし、そのまま名古屋の美容室に就職したが、やっぱり東京に行きたかった。挑戦したかった。レベルが高い奴らと同じ環境に身を起き、競争し、勝ちたかった。

考えていても時間が無駄なので、名古屋のサロンを退職し、すぐ上京し、憧れの原宿に勤めはじめた。

 

そしたら、あれ?生ぬるい奴ばかりじゃん。

多分有名サロンにいってたら違ったんだろうが、当時は原宿にあるってことは有名サロンだと思ってたw

え?東京の美容師ってみんな超一流でやばい奴ばかりじゃないの?なんでもっと頑張らないの?こんなんでいいの?もっとできることあるっしょ?

 

そんな思いをついつい口にしてたら、気付いたら周りには完全に嫌われ、一匹狼的な感じになり。。。経営もうまくいってなかったそうで、そのお店も半年で潰れてしまった。

 

「んじゃもういいや!どいつもこいつも自分に甘いやつばっかりやから、もう自分でやるわ!」

 

ということで22歳で(当時珍しかった)面貸しサロンに移り、ひとりでやることにした。

ここからもだね、もう本当に大変だった。やっぱ美容師ってそんな甘くないんだよ。頑張ればなんとかなると思ってたけど、どーにもならいときもあることに痛感した。ってか自分のレベルの低さを思い知った。でも、なんとかお客さんをつけないかんと思って(お金がないもんで)独学でホームページやフライヤーを作ったり、商社金融とかで借金しまくってクラブや飲食店、洋服屋さんで買い物して名刺を配りまくったり、あらゆる手をつかって紹介を増やしてみた。(はい、ザ・美容師生活

 

だが、なかなか結果に繋がらず、気付いたら月収5万になり、家賃を払うのがやっとで、全然食っていけなかった。むしろ多額の借金をしてしまい、身も心もボロボロで激やせし、かなりやつれてしまっていた

 

仕方なく派遣会社に登録したり、複数バイトをはじめることにした。契約社員としてサラリーマンも経験した。9時 – 5時はサラリーマン、そしてその足でそのままスーツ着たまま18:00から面貸しで美容師をした。そしてそのあと体を使った搬入のバイトをし、夜中に帰り、数時間寝てまた出社した。

昼休みもみんなランチで外食していたが、お金がなかったから、具なしのおにぎり一つだけだった。お金がないなんて言えないから辛かった。

 

でも本音としては、

めちゃめちゃ暖かいご飯を食べたかった。

 

インスタント食品以外の飯が本当に恋しかった。昔当たり前のように食べてた食生活が本当に夢のようだった。ほんと、思い出すだけで泣ける。

 

ぶっちゃけ何度も死のうと思った。周囲どころが親にも相談できない。何もかもがうまく行かず、孤独ってこういう時のことを意味するんだ。日本で絶対美容師になると言い切って、テキサスの実家を出た僕にはプライドも、もちろんあった。でも、こんなカッコ悪い自分の現実と向き合いたくなかった。

 

そんな中、ITブームにより、小学校から培ってきたIT能力や、ネイティブの英語が活かされる時代がきた。そりゃそうだ。アメリカで生まれ育って(英語ができて)、さらにITが強い奴が美容師になるわけない。(こんな言葉をよく言われてた)美容師以外でもっと稼げる仕事は、いくらでもあることに気づいた。

 

でもやっぱり美容師を諦めたくなかった。有名になりたいという夢を捨てたくなかった。

自分自身からこれ以上逃げたくなかったし、楽な道を選びたくなかった。

 

そしてある出会いをきっかけに、決めた。

 

もっかい絶対本気で美容師を目指すぞ!こら!

(↑誰に向かって言ってるん?w)

 

ってことで、複数のバイトも、サラリーマンも、全部辞めてまた美容師一本にした。もう本当に美容師が楽しくてね

でもま、最初の月収はまた5万ぐらいに戻った。今回は絶対逃げない。絶対お客さんつけて売れっ子になってやる!ガムシャラに働きまくった。空いてる時間が多かったときは、全て知識や技術の勉強や、集客の勉強をした。

 

休み?

は?そんなもんいるわけないっしょ。やっすい給料で、お客さんも全然いない奴が休みがほしい?そんなアホがどこにおるんかいな。暇なんてうんざり!!もう必死ですよ。必死。死活問題やで。

 

営業時間内外だろうがどこへでも飛んでいくよ。お客さんがおらんと仕事できないんよ。生きていけんのよ。いざというときに手を貸してくれる会社や人は誰もおらんし、組織に守られてないんよ。

 

そして何より人に頼りたくないんよ。

 

そこで、今までの数々のバイト先や会社で出会った人たち皆に、連絡しまくった。

「美容師をフリーでやってるんです!是非来てください!」的なね。

 

これがね、徐々にだけど、足を運んでくれる人たちが増えてね。そして家族のみんなや友達も紹介してくれた。

 

マジで嬉しくてたまらんかった。本当に涙が出るほど、ひとりのお客様への感謝の気持ちは半端じゃなかった。お店に来てるフリーにも入客させてもらい、絶対満足してもらえるように工夫した。自分という価値を徹底的に分析し、強みを利用した。

 

お客さんを呼ぶのって本当に大変。

 

僕はずっと美容師になることだけを考えていて、人を呼ぶことを全く考えていなかった。

そう思った。

 

そしてそこからかな。信じられないほどの右肩がりで、気付いたら何百人も支持してくれていて、美容師の階段を登り始めた気がした。新規指名のお客様も一月200人以上きたときもあった。なんか試行錯誤でいろいろやってみたけど、やっと自分がやってきたことが形となり、結果になった気がした。

 

本当にお客さんのありがたみをわかると、自然とお客さんって増えるんだよね。なんか心が通じ合うというか、なんというか、、、

 

そりゃ有名になったら、自分から来てくれるひとがいるかも知れないけど、

最初は必死こいて自分で呼ばないかんのよ

どんな手段を使ってでもね。

 

でもさー、なんか最近みんなマジで、楽して美容師になろうとし過ぎてない??

 

無難な店に入り、無難なカリキュラムをこなし、無難な道を選び、、、

自分が自ら試行錯誤して答えを見つけていくのではなく、求めることばかりに甘えて楽な方へ、楽な方へ、、、

いつも言い訳をいったり、人のせいにばかりしてるのに、自分は頑張っていると思い込んでいる

 

お前らは今、自分が本当に頑張っていると言えるのか?

 

どん底を本当に味わったことがあるのか?

1円のありがたみがわかるか?

毎日飯食えることがどんだけ幸せなことがわかってるか?

 

僕らより苦しい奴なんて、世の中やまほどいることに気づいているであろうか。

 

家庭の事情や病気などで、一流の環境にいきたくてもいけない奴なんてめちゃいるんやで。

わかってる?

 

そいつらの分まで頑張らないといかんのよ。

 

何がなんでも諦めないで上を目指さないとダメなんだよ。

自分に甘えてる時間があるんだったら、とっとと二流三流の場所へ行けばいい。

上を目指したいのなら、いちいち愚痴こぼしたり、泣いてないで、はよ行動にせい!

 

綺麗事に拘ってばかりいないで、結果に拘りな!

なんて昭和な考え!!!

 

でもま、こんな記事がこの時代にあってないのももちろんわかっている。

 

うちのスタッフにはこのような教育や発言はしていない。
むしろ、僕のこんな過去を知ってるスタッフはほとんどいない。

 

でも(結果論だが)ひとつだけ言えるのは、僕も美容師をはじめた頃は本当に辛かったから、同じ道を歩かなくても結果が出るのであれば、同じ道を歩く必要はないと素直に思っている。

 

人それぞれ考え方や生き方がある。

 

でも多分、例え自分と同じ道じゃなくても(どんな道であろうが)、簡単には美容師にはなれないんだと思う。

むしろ、簡単になれるべき職業ではないと思う。だからこそ覚悟が必要。

 

でもね、だから最高な仕事で、最高の環境で、最高の夢なんだよ。

 

ま、どんな世界であろうが、

自分に甘えるんじゃなく、自分と向き合うべきやね。鏡は嘘つかんよ。

 

独立してからは、全く違う考え方になったんだけど、それはまた今度。

 

最後に、、、

どんな時代であろうが、どんな国であろうが、どんな環境であろうが、

 

美容師ってやっぱりカッコイイ姿で今後もいてほしいな

 

そんなことを何故かふと思い、長々と書いてみた。

 

では、Have a nice day 😃

小林 Ken

 

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