最初に、YES, とてもハードでした。(そしてこの記事は長いっす)
ASSORTはニューヨークに続き、今回は香港に出店しました。
※NEW YORK店ができる道のりはこちら:「assort NY店ができるまでの道のり…….」http://assort-inc.com/ken/1846/
以前ブログにも紹介させて頂きましたが (「香港。いつかはやってみたいですね。」)、香港ははじめて行ってからとても気になる国でした。イギリス、イタリア、シンガポール、タイ、イタリア、などとここ数年でいろいろ検討しました。各地へ渡り、自分の足で歩き、先入観よりかは自分の感覚をアンテナに、次の出店を何気なく考えていました。
そんな中、うちの取締役と二人でなんとなーく2014年7月23日にはじめて香港へ行きました。そしたら空港の時点で現地の活気に圧倒されました。世界大都市の空港はすごい人の数と活気のイメージですが、実際そうでもありません。(JFKなんて全く活気はありませんw)人の数ももちろんそうなんですが、エネルギーがすごいんです。他国には比べ物にならないほどのパワーを感じました。上海や北京は行ったことないのですが、恐らく同じような雰囲気や活気なんだと思います。
そしてホテルへ到着後、早速その日からリサーチスタート。
香港の美容事情や国事情を現地にいるディーラーさんやメーカーさんからいろいろ話は聞いたものの、やっぱり人から言われることはあまり信用できず、(よくも悪くもねw)
相手の主観がない状態で確かめるには、自ら街を歩き倒すしかありません。
歩く→観察する→感じる→歩く→観察する→感じる。ひたすらこの繰り返しです。7月の香港はめちゃめちゃ暑いのでしんどかったですけど、歩くのも汗かくのも健康にいいからよしとしましょう。香港は場所に寄って街並みは全く違く、
イギリスっぽい場所もあれば ↓ ↓ ↓
コテコテの香港(中国?)っぽいところもあり、人種も様々です。↓ ↓ ↓
特に外国人に関しては(欧米人)、東京の六本木や麻布なんてもんじゃありません。東洋人を見つける方が難しいほどです。なんとなくですが、香港の文化をちょろっと感じれました。第一印象はとても良かったです。
帰国後、いつも通り現地で感じたことなどをスタッフに発表しました(主に文化的なことですかね)。日本でもNYでもかなり忙しい時期で実際「出店」までは何も考えていなかったのですが、、、
数日後、突然assort tokyoのスタイリストからお話しがあるということで近くの居酒屋へ。。。
※ちなみにスタッフから「話があります」や「相談があります」的なアプローチの場合、あまりいいことではないケースが多いので、ちょっと不安気味でしたが。。。w
大事な話?
ん?なんだろ?
辞めたいのか?
何か不幸があったのか?
なんだろう??
すると、なんと。。。
「僕、香港行きたいです!やりたいです!」
(と自ら香港勤務したいとのこと。)
。。。。。
。。。。。
!!!!!
WOW〜〜〜
でも、やりたいのとやれるのは別。
海外で美容師をやるのはそう簡単ではありません。英語も広東語もしゃべれない彼からして、いきなり香港へ飛び込んで「技術だけで勝負だ!」はちょっと厳しいんじゃないかなと。
海外へ働いてみたいという気持ちはもちろん素晴らしいことなんですが、ノリだけでは当然お店は作れません。世界で物価が高い地区1位2位を争う香港で、甘い気持ちや中途半端な意気込みでは絶対続かないし、勝てない。
僕は内心こう言いました(実際口にしたかたは覚えていませんがw):
「やるなら香港で骨を埋める覚悟じゃないと無理だね。無期限を条件なら考える。
即ち、日本を行ったり来たりするような形を最初からとろうなんて甘い考え方だし、香港にも失礼。お客様をなめているのか!!お客様が再来したときに香港不在で、日本にいたらどうするんだ!! ASSORT HONG KONGのディレクターになるのであれば結果だして成功するまで、帰ってくるんじゃねえー!!
「もちろん、そのつもりです!人生をかけてやりたいです!」
↑↑これは確実に言っていましたw
その熱い気持ちとやる気に僕は感動し、僕は即答した。
「よし、やるぞ、覚悟しな。こっからはめちゃめちゃ早いよ。」
↑これが9月の頭ですね。
覚悟を決めた僕らは、不動産や行政関係のことをリサーチするため、すぐ(翌週)香港へ再度向かった。本格的に出店となればやることは山ほどある。各業者に頼んでお金で片付けるのではなく、ひとつひとつちゃんと自分達でやること。(どちらにせよ、お金なんてないので、こうなっちゃうんですよねw)
早速物件を内見しまくりました。でも先方とのコミュニケーションがうまくとれておらず、assort tokyoのように60坪前後の物件ばかりだった。最初はえええ?!と思いましたが、何事も経験と勉強だと思い、全部見ることにしました。20件ぐらいみたのではないでしょうか?
まーーーー想像を絶する金額です。ちょーーー高いです。
もちろん立地やビルに寄るのですが、想像を遥かに超えてました。香港はニューヨークやロンドンよりも高いですよ。で、そのときは内見で終わり、まだ何も決まらず一旦帰国。
翌月の10月の終わりに香港店希望スタイリストの鈴木と一緒にまた物件を探しにいきました。ちなみにこの頃には既に現地法人も立ち上げていました。理由としては会社がないとどこの物件のオーナーさんも相手にしてくれないからです。もしも気に入った物件がたまたまたあったとしたら、すぐ交渉できるように準備は万全にしないといけないからです。
そして、そのときもまた20件ぐらいみたのですが、ビビビっとくる物件がなんと1件ありました。(現ASSORT HONG KONG)土地勘もなんとなくしかまだなかった頃なんですが、なんとなく「ここだ、ここしかない!」という声が脳を刺しました。
物件探しの様子:
※綺麗な物件のみ写真撮ったので残っていますが、想像を絶するボロボロ感もたくさんあります。もちろん夏なのでゴキブリだらけw
まーーーーいろいろ回りましたw
これ!!!という物件がでてきた以上は、、、ホームページ+就労ビザ+内装+銀行+不動産契約+まだまだありますが、、、
僕の性格(スタイル?)というのは
なんでもかんでも誰かに聞いて答えを最初から求めるのではなく、自分で何事も調べること。それで例え失敗しても、それこそが経験であり、それこそがお金払った価値であり、それこそが財産。
今はまだ若いし体力もある。やれるうちにどんどん体動かし、多少の無理は当たり前のこと。
どちらにせよ、こちらでは人に寄ってみんないう事が違うし、人を通すとその分の「紹介手数料」的なものをとられるので、ボラれます。1円でも安く済ませるにはやはり自ら動くことです。ね。
そしてすぐその物件にオファーをかけました。しかし、いろいろと行政手続きで前に進めなかったり、香港デモの時期で政府が止まってしまったり、、、
でもそんなことで諦めない、負けない、止まってたまるか。絶対進んでやる!むしろ燃える!!www
ちなみに去年のデモの様子 ↓ ↓ ↓
なんとか交渉も成立して、手付金とともに仮契約をすることができた。(結局本契約するまでほんっとーーーに色々あったんですが、そこは省きますw)ちなみに香港の不動産契約は日本とほぼ一緒ですね。NYのような面倒な手続きはありません。弁護士を通す必要もないですし、契約書も基本全部英語です。デポジット(保証金)も日本と同様数ヶ月払って、不動産に一ヶ月分の家賃を払うのがスタンダード(仲介手数料)。物件に寄っていろいろ条件は違いますが、日本とさほど変わりません。
さて、帰国後に日本でできることは次から次へと片付けました。ホームページや内装デザインなどなど。店舗デザインはASSORT全店をデザインしてくださっているAREA TOKYOさんに(もちろん)お願いしました。忙しい年末の時期に猛スピードでデザインしてくださり、本当にありがとうございました。
残すは現地のゼネコン、施工会社、そしてシャンプー台などの家具を探すのみ。ここ、かなり大変なんですよ。調べた施工会社を次から次へとあたり、内装デザインをもとにQUOTE(見積もり)をもらいました。値段はピンキリです。我々が日系企業だからだと思いますが、正直相場は日本と変わらないですね。むしろ高いです。どこにしようか迷いましたが、ま、ここもフィーリングで決めてやりました。 一番仕事が早そうで合いそうな方へ。(結果そこにして正解)
11月に再び香港へ。この時点で(NYやイタリアをちょいちょい挟んでいたので)出店を決めてから2ヶ月も経ってしまいました。今回のミッションは事前に調べていた中国・深センの問屋さんで美容家具をみにいくこと。そして香港を検討してくれてるもう一人のASSORT TOKYOのスタイリストも初香港!!
てくてく歩いて美容家具を調べるものの、、、そりゃタカラさんとかイタリアのメーカーさんとか頼めば早いしクオリティーも間違いないですが、
たっけーーーー!!!(ほんと、高すぎますよ。日本の何倍するねん)
ってことで人生初中国へ。。。(ぶっちゃけ結構不安で、ちょードキドキw)
す、すごい。怪しさ満載だけど、なんだか楽しいー^^ ←意味がわからないですよねw
やっぱ見たことのない美容道具ってテンション上がりますね。こんなところが日本にあったら楽しいですな。
カットチェアは1万円以下が当たり前。
シャンプー台は2万円〜5万円が相場。
や、やす!(安すぎない?!)
しかももちろん交渉可能。わははは。交渉好きの僕のテンションはMAX!
ざーーーーーっと見て香港周辺の雑貨屋さんもいろいろ見て、今回のミッションは無事クリア。一旦帰国。
12月に入り、日本もNYも一番忙しいとき。NYはさすがに行けず、ASSORT HKプロモ用に東京のスタッフと香港撮影をしたり、行政関係の手続きだったり、、、なかなか進みませんよね。(外国でビジネスをゼロからやる場合は)
ちなみに12月の内装はまだこんなもんでした。これから床上げって感じですね。 ↓ ↓ ↓
香港法人銀行口座の開設もまだ残っていました。香港の場合は本人が直接窓口にいかないといけないのでとても面倒です。さらに、法人設立をしたものの、必要書類のひとつのBR関係の書類が香港からずーーーっと届かず、全く前に進めない状態でした。(ちなみにやっとの思いで届き、口座開設手続きを行ったら、なんと自分の名前がKENじゃなくてKINになっていたのでまた再発行)←日本じゃ考えられないですよね、本当に。
そして2015年1月(出店決めてから3ヶ月半が経ち)、そんなこんなで着々と内装手続きが終わり、水周り(お湯の量や、水漏れなど)でいくつか問題はありましたが無事内装終わりました。
東京からもスタッフが2名香港へ引っ越し、小物関係をみんなで揃えて営業の準備を着々と進めていました。ところがアマゾンやアスクルがない香港では、インターネット購入はほぼ不可で、ひとつひとつ個人店へ買いにいくのが一般的です。(大型量販店もありますが、電化製品ぐらいですね)個人店が主流なので、どこに何屋があるのか、そしてどこが一番安いのか、右も左もわからずでしたが、スタッフが本当によく頑張ってくれました。
試行錯誤の繰り返しだったせいか、意外と1日1日がすぐ終わるんですよね。一個の用事や買出しで意外と時間がかかるんですよ。何度も言いますが、結果としてはとてもいい経験でした。
今回の香港は私にとってはじめての「海外」出店だと思っています。アメリカで育っているし、日本人の血をひいているので、どちらの国もどこかしっくりきます。でも香港は本当に初のアウェイです。共同出資や現地の居抜きも考えましたが、やはり自分達でゼロからはじめるのは勉強になるし、そこに拘りたい。
大変かもしれないけど、このひとつひとつのプロセスの経験を得ることにより、はじめてその国の「文化」を感じれると思うのです。
あとなんでしょう〜「愛着」がいいですよねw
そして、最終的に出来上がった内装はこちら:
2月は一ヶ月プレオープンをし、たくさんのお客様にご来店頂きました。(これはかなり予想外でした!びっくり!皆さん本当にありがとうございます!)
いよいよ2015年3月1日よりグランドオープンです。オープンに至るまでご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました!!
でも、まだまだスタートラインにたったばかりです。
ASSORT HONG KONGは香港にいる日本人の方はもちろんのことですが、現地にいる香港人へ、美容を通して少しでも幸せを与えられたらなと思います。美容の楽しさ、幸せ、可能性。美容師免許も存在しない香港では、美容師という職業は日本のように華やかな職業ではありません。ステータス的にもとても低いです。(この件についてはまた今度お伝えします)
でもそのような業界が今後変わる可能性は十分あります。日本で磨いてきた技術をもとに、もっともっと香港の美容業界の底力を上げていきたいと思います。
ASSORTは世界中どこに出店するだろうが、目的はただひとつです。
美容の力で世界中に幸せを与えること。
最後に:
日本の美容師さんにはもっともっと世界を知ってもらいたい。僕は日本人だし日本も大好き。だからこそ、これからの日本の美容業界の環境をもっともっと良くしていきたい。それは美容師の自己満足ではなく、お客様にとってより良い環境に直結するから。美容師はお客様と同様一人一人の個性とライフスタイルがあり、「十人十色」の働き方の答えは絶対そこにあると確信している。
視野を広げることから新しい発想が生まれ、新しいデザインが生まれ、新しいトレンドが生まれ、新しい歴史が生まれる。
そして新しい「人」が生まれる。
そうやって繋がっていくのです。
では、have a nice day 🙂
小林 Ken
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